
私は平成27年に一級建築士を所得しました。
1次試験は独学(とは言っても勉強の教材は某資格学校のテキストを使用)、2次試験はお金を払って某資格学校に通いました。
私が所属している会社は設備設計会社(社員数20名程度)のため、意匠や構造設計をメインにしているわけでないため社内で一級建築士の資格を絶対にとらないといけないという空気もなく、そのため一級建築士受験のために会社を休んだり、定時で退社して勉強の時間に充てるよう配慮してもらえるといような制度が特にありませんでした。
受験したことがある方や、今まさに勉強されている方は、この「時間がとれない。つくれない。」という状況の辛さをおわかり頂けるかと思います。
資格学校では「今年の一番の仕事は資格を取ることだから、会社を辞めてでも時間をつくれ。」という風に当然のように言われるのですが、そもそも地方では業界が狭いため下手な辞め方なんかでもしたら一気に噂が広まってしまってせっかく資格をとっても転職先がない。。。などということになりかねません。
なのでこの資格所得の一番難しい点は(他の資格も同じかと思いますが)やはり実務をしながら勉強時間を確保するということにあると思います。
とここまで書いて本題から外れてきましたが、一級建築士保有者や今まさに所得に向け猛勉強中の方にお伝えしたいことですが、「一級建築士を持っていると設備設計業界ではかなり重宝されます!(地方限定)」
ということです。
私が所得する以前は社内で一級建築士を保有していたのは一名(管理建築士)だけでした。
建築設備設計がメインとはいっても「一級建築士事務所」として仕事をしていくうえで一級建築士を持った人間が必ず必要です。では なぜ一級建築士を所得するよう会社側が社員に促さないのか。。。
理由はわかりませんが。。。
ただ、どこの地方でも似たようなものだと思うのですが、この建築設備設計という仕事ですが、子供の時から「建築設備を仕事にしてきたい!」という気持ちがあって学生時代に設備の勉強をしてきたという人は圧倒的に少数派で、どちらかというと社会人になってから、最初の職が合わずに転職で生きるための仕事を探しているうちになんとなく建築設備の仕事に出会ったという形の方が圧倒的に多く仕事に対する向上心というかモチベーションが高い人があまりいません。
(もちろん皆 目の前にある仕事に対しては一生懸命、誠実な仕事をしていますが)
だからといってはですが、地方の設備設計業界では自分のちょっとした日々の努力次第で割と簡単に周りと比較して希少な人材として扱われるようになります。給料も交渉次第では周りよりよい待遇を受けられるようになります。
ただその分、責任と膨大な仕事を押し付けられるようになると思いますが。。まあ当然といえば当然です。
私は一級建築士を所得してから責任は増えたとは感じますが年収は200万アップしました。
ただ知り合いの意匠設計の方に聞いてビックリするのが、あれだけ時間とお金(資格学校代)をかけて所得したにも関わらず、意匠設計事務所では持ってて当たり前という風潮があるのか、資格手当が月1万とか、、まだもらえるだけマシでそもそも資格手当なんかないというところが結構あるみたいなんですよね。
ほんと建築業界というものは実務量や能力に対しての対価が低すぎるように思います。
そこで私が個人的に思っていることですが、建築設計(意匠・構造)をやっているけど、そこまで仕事にこだわりがあるとか好きで続けているわけでないし、今の待遇に不満があるという方は設備業界に入ることを視野に入れてみることをお勧めします。
実際に、私の今の会社の管理建築士は元々意匠設計をやっていました。
ただ一級建築士、管理建築士の資格を持っているというだけで割と自由な立場で振舞っています。
一級建築士という資格は業界では「足の裏の米粒」などと揶揄され、取らないと気持ち悪いけど取っても食えない。。。というような言われ方をしますが、決して絶望しないでください。
自分を置く立場を変えさえすればかなり重宝されます。
設備業界(地方に限って)で一級建築士を取ろうとする人は 独立を目指している人や経営者で資格をこれまで社員に一人か二人かの一級建築士保有者の名前で一級建築士事務所を開設しており自身で取っていなかったという人以外ではほとんどいません。
なので一級を持っているのに給料が低すぎる。これから一級を取ろうとしているけど、取っても給料上がる見込みもないしという絶望感を感じながら勉強している。。。という方がいらっしゃいましたら是非設備業界へ足を踏み入れてみることも視野に入れられてみてください。ということが今回お伝えしたいことでした。